Right to Light

陽ととなり

淋しいあなたのお友だち

・土曜日に動物園に行ってきた。春ぶり。前々からどうしてもワニが見たくて、それがあって半ば強引というか私発案で「行こうよ!」で実現した1日。突き抜ける晴天で動物達も気持ち良さそうだった。木の葉も色づいていて思わぬ感動。肝心のワニはというとあんなにでっぷりするかね、という感じだった。四肢を真横に広げ極限まで平たくなった体躯にぷにぷにの腹の肉がとてもキュートで、ワイルドさを求めて観に行ったものの意外な愛らしさに見惚れてしまった。爬虫類は目がとにかく美しい。一方その日のベストは個人的にカメだった。ゾウガメ。わさわさと小松菜を不乱に貪る姿はカメとは思えぬほど動きがあって印象深い。その日いちばん動きがあった動物はカメかもしれない。ペンギンは一点を見つめて微動だにしなかったし。生き物には生き物の、個体には個体の性格と哲学があるんだろうなと思った。

 

・月末にスーツを着る予定があるのだけどそれに合う鞄を私は持っていない。具体的に言えばクラッチバッグとかその類の鞄。スーツな日常的に着るものでも無いのでその日1日だけ鞄が必要で、兄に借りようかと思ったのだけど、兄はスーツにリュックを合わせるタイプらしく持っていないそう。思わず頼りが外れたので買おうかとも思ったけどどうせお金を出すのだしせっかくなら作ることにした。革を買ってきたよ。デザインはメール封筒みたいな感じで型を起こして来週までには仕上がる予定。久しぶりにレザークラフトができて楽しいね。材料費は買うより高くついたけど。

 

・訳詞をしたいな、と思う。好きなミュージカルの曲。14の時から私の心をいつでも明るくしてくれる大好きな映画の曲。自分の好きなものだし自分の言葉で持っておきたいいつもの衝動だ。もともとは歌えるようになりたいなぁ→歌詞覚えるか、というプロセスがあったのだけど、訳す為に繰り返し聴いて単語を調べることで歌詞を覚えようという算段だ。発音出来るかはともかく、耳に憶える音楽はひとりでに生活を楽しく色づける。

 

・行き慣れていないイオンのダンジョン感に対して行き尽くしたイオンの箱庭感というのがあると思う。それと同時に、初めてイオンに訪れたイオンの記憶、デートでふらついたイオンの記憶、ひとりでただ時間を潰すイオンの記憶、いつでもイオンは私にとって必要な場所で在ってくれている。イオンで感傷がトリガーするのだ。苦しいなほんとに。場所に記憶を紐付けるとこういうことが苦しい。誰もこんな感じなのだろうか?私は頻発している。当時の感情や交わした会話まで、あの時あの人は本当に楽しかったんだろうかとかあの頃のひとりの過ごし方は正しかったんだろうかとかやり直せない思いがひたすらにトリガーする。きっと同情なのだと思う。あの頃の私に、あの頃の私に付き合ってくれたあの人に、今と比べて何が変わっているのだろうとシンパシーと懺悔を感じている。

 

・酒が美味い、という感覚はわからないが、自分に良い酔いをもたらす配分というものを見つけた気がする。4:1。胸が軽くぽわっと熱くなる配分。ゆっくり染みていくように痺れる指先と頭に心地良い感覚を覚える。このまま朝まで起きることなく爆睡出来たら良いのに、と思うが私は明け方に目が覚めてしまうのだ。そうしてまた疲労が取れない体を抱えて労働に向かう。でもよいのだ。明日は明日の、今は今の私がいる。いつどの私も正しく私らしく健気で気まぐれで独り善がりなのだから。