Right to Light

陽ととなり

夕月に祈れ

朝早く起きると1日が長い。そういう日は決まって持て余したりするものだが導かれるように流れる日もある。休日の朝は平日に叩き起される分せっかくならゆっくり寝ていたいのにどうにも目が覚めて、1時間程ごろごろした後に活動した方が有意義だなと思う。ちょうど観たい映画もあることだし。

 

フレンチトーストを仕込む。朝の4時。卵に適当な量の牛乳と砂糖を入れて、ホットケーキにみりんを入れるともちもちになるときうことを思い出す。適当にみりん。食パンを4つに切ってつけておく。その間に洗濯機を回し床を掃除する。汚れないよう気を付けて生活している訳では無いのでクイックルで磨くように腰を入れると笑っちゃう程の変わりよう。茣蓙にもクイックル。終わった後の裏側を見てひとり達成感にほくそ笑む。フレンチトーストをバターから焼く。マーガリンじゃなくてバターを使うことがレベルを一段上げる秘訣だなと最近気付いた。ぱちぱちと弾ける音を聴きながらじっくり焼いてじっくり待つ。焼き目。バニラアイス。コーヒー。

f:id:HikaruRightman:20230605203244j:image

上手くない?

美味しかった。もっちもちになった。発見を覚えて気付きとして再現する瞬間、そしてそれが上手くいった達成感が好きだ。洗い物と身支度を済ませて映画を観に行く。映画館は好きだ。観る前も観る時も観た後も好きだ。作品に入り込み時間に置いて行かれる感覚。お昼まで少し空いたので実家に帰る前に金具を見に行く。鞄を作りたいと思う。小さな書留鞄。財布と鍵とメガネケースが入るだけの首掛け鞄。しばらく悩んで結局金具は買わなかったのだけど、眺めて考えた時間が好きだなといつも思う。高速に乗って実家に帰る。高速は好きだ。運転が好きだ。ヒリヒリする。実家に帰ってパスタを茹でる。卵に適当な牛乳とチーズとコンソメを入れて麺とひたすらに混ぜるカルボナーラ。入れてるものが砂糖かコンソメかの違いでフレンチトーストとは大きな違いだ。家族に手紙書いた。節目の時だったのだ。母、姉、妹、義兄、姪。手紙は好きだ。字を書くことが好きだ。平仮名を書くのは苦手。丸いから。姪と遊んでいたら友人から飲みの誘いが来た。久し振りだった。友人の誘いというものは良い。世界が狭まっていく歳月の中で変わらないものがあるといつも教えてくれる。自宅に蜻蛉返り、戻って来るのが何時になってもいいように家を片付ける。洗濯物を畳んで洗い物を片付ける。駅。電車は好きだ。ただ目的地に運んでくれるだけの作用が世界に存在していることが好きだ。ホームから見た東の空に夕方の月が見えた。大きい。

f:id:HikaruRightman:20230605205051j:image

月は好きだ。この時、(朝から出来過ぎだ)と思った。友人との時間がそれを際立たせたのは言うまでもない。料理、酒、話。今日だけは、人も自分も悪くない生き方だと思えた。

 

今年の初め、占いを見た。もともと信じるタイプでは無かったがちょうどその時落ち込んでいたのもあって、こういうのは自分を納得させることが力なんだと気付いた。そこには上半期のピークが5月であると書かれていたのでそれを実らせる為に気持ちを育んでいた。5月、それでも仕事も恋愛も営みが消えて、やっぱり占いなんてあてにならないなと思い直してる。そこに至らせるまでの自分の力が足らなかったのかもしれない。いずれにせよ、納得は力だ。反面、ふたつ営みが消えた分家族と友人との関係値は振り切った感じがする。それも半ば導かれるように。行動がきっかけであったように。そこで気持ちを伝えられたことが私にとってとても大きい。私にとってあなたはかけがえのない存在なんだって、言い回しじゃなくて言葉で直接言えたことが嬉しいし、聞き入れてくれたことに感謝しかない。私は好きな人達を愛している。

 

これからも導きを感じる日があるといい。夏が来る。祈ってくれ。