Right to Light

陽ととなり

比翼の友

○寝た記憶が無い。気が付くと朝が来る。必死の現実逃避も虚しく傲慢にも朝を迎えてしまう。逃げ道、というより気を紛らわす没頭が必要だと思う。起きている時も寝ている時も私の頭はあれからずっと言葉を回して応えのない問答と蔑みを繰り返している。何も溜めていないのになにかを吐き出そうと必死だ。滑稽。誰かに頼るという発想をまた忘れてやいないか。一方で人が怖くもある。笑われるんじゃないか、恥を晒すだけなんじゃないか、地獄を比べられるんじゃないか、と人やざわめきが怖くなってしまっている。私の中の孤独は誰かが立ち入ることすら許さないのか。きっと、ただでさえ見失っている己というものを余計に乱されることを嫌っているのだ。不愉快な見栄だ。  

 

○そうか、私はまだ頑張りたいんだ。現況に満足も充足もしていないんだ。環境を変えたくて自分をもっともっと追い込みたくて辛いんだ。でもどうやら全部は手に入らないらしい。みんな何かを諦めて生きている。私も足るを知った方がいい。

 

○比翼の友よ、君は望まないだろうが私は君の臨んだ姿で在りたいと思っている。そうして勝手にもがいて苦しんであまつさえ斜に構えて卑下をするどうしようもない阿呆だ。ただ不安なのだ。君が私といて良いのかわからない。他の誰かと居た方がもっとずっと楽しくて実りがあるんじゃないかって思ってしまう。疑ってしまってすまない。

 

○比翼の友よ、君の遺した言葉を思い返す度に、私にはもうどうすることも出来ないんだという無力感に打ちのめされる。