Right to Light

陽ととなり

なにから守るなんて考えちゃいないけどそうしたくなったからきっとそうなのだろう。

○「似ている人がいる」っていいなぁとふと思った。そしてその似ている対象が渋い人だとなおいいなぁと思う。自分の顔をしっかりと見つめてみる。思わず背けたくなる箇所ばかりが目につく。薄い目、間の抜けた口、未だに正解かわからない眉に髭面、言いたいのはそういうことではなくて、私って誰にも似ていないなと思う。なんだか勿体無い気持ちになったのでこれまでの生涯で似ているねと言われた人を思い出す。バイト先のパートさんには及川光博に似ていると初対面で言われたがあまりの乖離さに全力で否定した記憶がある。親、義兄(なぜ?)、ううん、もっとこう大衆に理解されるような顔つき。姉は優木まおみに似てると思う。従兄弟は瑛太に似ていると思う。学生時代の先輩は新垣結衣に似ていたしバイト先の店長は渡辺いっけいに似ていた。今お世話になっている理容師さんはジェフ・ゴールドブラムに似ている。いいなぁ。ジェフ・ゴールドブラムよ?渋き良さピンポイントだ。そういう歳の重ね方をこれから意識がけて生きたい。そういえば、及川光博の前にも一度似ていると言われた人がいた。岸辺一徳である。良いね。渋く飄々とした振る舞いを目指して、落ち着きを持って生きます。

 

○新しい香水を買った。(香水、生活に必要無いものであるのに生活のグレードを上げる所謂嗜好品という認識をしている。煙草を買う友人を馬鹿に出来ない。)ネットでした香水診断で出た結果があまりにも大衆受けの王道を行っていたのでそれとは真逆の方向性で選んだ。さっと香った感じかなりバニラが強い。これから涼しくなっていくだろうし甘めで良いのかもしれない。こういう「真逆のことをいく」の繰り返しで今の私が出来上がっている気がして少し怖くなった。

 

○私は家族を悲しませないために生きている。愛を受けて育ったことがお腹の底からじわっと暖かみになって命を動かす。我武者羅にはなれないけれど、大きな功績も建てられないし大物にもなれないだろうけど、家族が私を愛してくれているから私は前を向ける。一時期に比べるとかなり生に前向きになったな。このままなんとか影を落とさないように暮らしていきたいが、果たして私は不自由に見えるのだろうか?個人的には抱えるものもないし将来が無いことも悲観性に蓋をすれば身持ちが軽くて良い。でも、この夏、もっと自由に生きて欲しいと言われて、わからなくなった。やりたいことをしてやりたくないこともやる気を出さずにして暮らしているつもりなのだけど。近頃、私はもっと悩まなければいけないなと思う。ことあるごとに自分の経験値や人間性の浅さを認識するのだ。ぬるま湯の今でも良いかもしれないけど、湯だってからでは取り返しがつかない。

 

○だから私が持つ、あるいは与えることの出来る愛は慈しみに限ってしまう。情愛とか性愛とかその類のものは私には取り扱いが難しいらしいので。だからあなたが困った時や助けが必要な時は手を差し伸べたいし力になりたいし、あなたを傷付けるこの世の全てを、この身で代わりに受けたいと思う。これが10年かけて辿りついた私らしさ。エゴと自愛と慈愛に満ちた納得のいく姿勢だと思う。物足りないこともあるだろう。でもきっと、というか必ず、手にしたものは求めるものとはなにかが違って足りずにもっと良い場所を求めて流離うだけなのだ。あなたはどう思うかな。理由は後からでも作れる。