Right to Light

陽ととなり

人も春夏秋冬、夏の馨、天鵞絨の君

○好きだったカフェが居抜きの焼き鳥屋になっていた。一度しか行ったことは無かったがその日のことはよく覚えている。今から4年前の4月の4日、土曜日だった。私には初めての出会いであり経験であり挑戦であった。イタリアンとパフェの店。(パスタ食べた後にデザートでパフェいったってマジ?食欲どうなってんだ。)思い出というより思い入れに近い。場所をして感傷的になるのが自分の厄介なところでもありエモなところだと感じる。時は移ろう。イタリアンの店は焼き鳥屋になる。薄く陽が落ちた空の下、まだ少しの肌寒さと胸の高揚を覚えている。4時を告げる鐘の音、カーリーレイジェプセンを懐かしいと言ったこと、そこで私は初めて自分がどう振る舞うべきだったのかを知りたかった。何かが気に入らないのだろう。時は移ろうことを知った。人も移ろうことを知った。私は敬語をやめることにするよ。それだけが唯一教えてくれことだから、去ってしまった者からはなにかを受け継がなくてはならないのだ。

 

○この数日じっくり半身浴をしている。ガス代?知るか、それよりこっちは身体のバキバキの方が深刻なんじゃい。風呂上がりにストレッチをしてみる。おおよそ学生時代に柔軟さが求められるスポーツをしていたとは思えない程の身体のかたまりよう。なぜかわからないけれどどれだけ柔軟を続けても身体が柔らかいと自分で感じられないので続かない。ただ、ストレッチをした日はどうにかゆっくり眠れるのだ。たまに寝違えか何か知らないけれどもうなされるような背中の痛みで横になれない時もあるが。しっかり寝れていること、これだけでも御の字だ。

 

○私はきっとまたあるべきところに戻されると思う。これは悲観が含まれているが人生経験だ。欲しいと思ったものが手に入ったことはないし好きな人が好きになってくれたことって一度もない。今は私がしていることは、あるいはこれからしようとしていることは裏切りなのだ。そのことを腹のそこでずっとわかっているからこそ落ち着かず、いっそ早く殺してくれと、そうすればとりあえずの目先の苦労からは逃れらると思っている。弱気なわけじゃない。私という自分を見つめて帰ってくる私がそういう目をしているのだ。でも挑むことはやめたくない。人は移ろうし時は移ろう。なにも行動しない人間には悩む資格すらないと思うので。箱は用意した、中身もある。どっちに転んでもいい、その程度の気持ちでいないと私はまた懲りずに自分を責め立てるだろう。自分でもわからない。どうしてこんなにも頑張ってないと思えるんだろう。諦めはしない。近頃強く思った。私はまだ幸せになっていなくて、そのための努力や理不尽を経験していないのだ。また帰ってくるよ。夏は変わらない。

 

○7月に入ったらマッチングプリでもやるかと思っていたけど暑いしなんだかんだそれどころじゃなかったね。まずはとにかく眼前のこと片付けていくのみだ。未来に繋がるかもしれないし今を守れるかもしれない。早く殺してくれというのが今の心情。

 

○天鵞絨の君、私が初めて己の意思で満たした所有欲。思いを乗せて、場所は感傷で、道は続いていることを教えてくれた。執着するのは良くないと思っているがそれでも、君は変わらずいつでも私のために動いてくれた。その学びはこれからも生きていくのだろう。時は移ろう。周りの誰もがステップを駆け上がっていく中で私はどうだろう。ある人にとっては変わらずにいることが美徳かもしれないし、私もそういう風に考えていたことがあった。私が変わらないことで周りどどれだけ変化したかを知る、その留め石が私の役割だと割り切った時期もあった。天鵞絨の君、私の最初の君、これからもずっと忘れない。


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