Right to Light

陽に当たっていたい22歳とその日

憎しみを持ってしまった

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憎しみを持ってしまった。道を塞ぐ女子高生、電車の向かいに座るサラリーマンの靴下の色、未読のLINE、捗らない勉強、変わる信号、残業代の出ない会社とそれを黙認する社会、24時間しかない1日、隠れる太陽。とにかく大抵の周りのものに憎しみを持つようになってしまった。ほんの数ヶ月前まではそんなことはなかったのに。僕は人生を愛する青年だったはずだ。陽に当たること、雨の音を聴くこと、その日に着る服、たまの買い物、耳に届く音楽、街行く人の顔。とにかく大抵の周りのものを認め愛していたはずだ(それでも確か道を塞ぐ女子高生は嫌いだったけど)。

 

春からはじまった労働はそんな愛を確実に僕から奪っている。愛を持つ余裕もなく、降りたくもない駅で降り向かいたくもない職場へ向かう。朝閉じかけの眼を擦りながら家を出てから、また閉じかけの眼を擦りながら家に帰るまで、労働は1日の半分と気力を僕から奪い、それだけでは飽き足らず、夜眠る至福、明日への楽しみまで奪っていく。

 

金銭面で言えば、学生とは比べものにならない位リッチになった。欲しいものを悩まず買えるようになったし通帳の数字が増える瞬間はなんだか報われる様な思いもある。それでも今は、失ったものを求める気持ちの方が大きい。朝はあと20分長く寝ていたい。

 

そんな中でも、仕事をしながら多少なり達成感があったりするのだ。その瞬間は、昨夜から必死に磨いてきた辞めたいという思いが輝きを失くす。もう少しやれそうだな、なんて何回目かもわからないやる気に満ちる。そうしてまた、社会に飼い慣らされる人間が出来上がるのだ。今も磨いているこの思いを、失くしそうになる自分が憎い。